ダイワの実売1万円台リール、「フリームス」が5年ぶりにリニューアルされました。フリームスは、初心者からのステップアップ機とでもいうべき位置づけで、手ごろな価格ながらしっかりとした性能をもつ、人気のスピニングリールです。
今回のフルモデルチェンジにおいては、ダイワが誇る上位機種のテクノロジーを詰め込んできました。筆者は早速1台購入し、実釣も行いましたが、1万円台のリールの限界を軽々と突破してきたと感じました。
この機種のよいところ・そうでないところのインプレを、釣り歴25年の筆者が実釣ベースで詳しく解説します。また25カルディアや25アルテグラといったライバル機種との比較もありますので、参考にしてください。
結論から言うと、このリールは「買って正解」と感じられる完成度でした。26フリームスの購入を検討されている方、ぜひ最後までご覧ください。
26フリームスの特徴
エアドライブデザインの採用
今回のモデルチェンジにおける最大のトピックである「エアドライブデザイン」。かつては上位機種以上への搭載に限定されていましたが、ついにこの価格帯のリールにまで降りてきました。
エアドライブデザインは、エアドライブローター、エアドライブベール、エアドライブスプール、エアドライブシャフトの最大4つのテクノロジーからなるものです。このうち26フリームスには、
・エアドライブローター
・エアドライブベール
の2つが搭載されました。

まずエアドライブローターですが、26フリームスでは、より球体に近い新形状が採用されています。エアドライブローターのメリットは軽量化です。この部分が軽くなったことで、ハンドルを回し始めた時の軽さにつながります。
また回転が軽くなることで、水中のわずかな潮流の変化や、魚の「前アタリ」が手元に伝わりやすくなっています。筆者の個体はやや巻き出しが重い印象でしたが、恐らくグリースがなじんでくると解消されていくでしょう。
続いてエアドライブベールですが、ベールのワイヤー径をわずかに細くし、さらに接続部の形状を滑らかに設計。軽さを追求しつつも、魚とのファイト中でも歪まない剛性を確保しています。また糸絡みが大幅に減少し、特にPEラインを使用した際のトラブルの軽減が期待できます。
実際、今のところ筆者のフリームスではまだ一度もライントラブルは発生していません。
ZAION Vボディの熟成と信頼性
26フリームスのボディ素材には、先代の21フリームスに引き続き「ZAION V(ザイオンV)」が採用されています。ZAION Vは、カーボンハイブリッド樹脂でありながら金属に匹敵する剛性を持ち、かつ驚異的な軽さを誇る素材です。
21フリームスでその実力は証明済みですが、26モデルでは内部構造の最適化により、さらに「たわみ」を抑える設計に進化しています。「樹脂ボディは強度が不安…」という時代は終わりつつあります。
26フリームスは、ショアジギングで青物を相手にしても、ボディが歪んでギアが噛み合わなくなるような不安感は少ないでしょう。
進化したドラグと防水性能
実釣において、リールに求められる重要な要素であるドラグ性能と防水性能。ドラグは、ついにフリームスにも「ATD TYPE-L」が実装されました。
従来のATDは、魚の引きに合わせて滑らかに作動するのが特徴でした。TYPE-Lはその長所を受け継ぎ、さらに「初動のレスポンス」が向上しています。
細糸(PE 0.2号〜0.6号など)を使用するライトゲームやエギングにおいて、急な突っ込みによるラインブレイクをしっかり防いでくれるでしょう。

また防水性能に関しては、ダイワの代名詞である「マグシールド」をもちろん搭載。ピニオンギア部に磁性オイルの膜を作ることで、海水やほこりの侵入をシャットアウトします。
メンテナンスを頻繁にできないサンデーアングラーにとって、この初期性能の持続はとても大きなメリットです。
26フリームスを購入・使用してわかったメリットについて
筆者が購入したのはLT2000S-Pです。アジング・メバリングなど、ライトゲーム用に準備しました。
まずお伝えしたいのは、外観のかっこよさです。色は落ち着いたブラック。差し色でスプールのスリットにゴールドがあしらってあります。
このクラスまでのリールには、スプールやハンドル部によくゴールド色が使用されますが、その面積はたいてい大きく、逆に安っぽく見える原因にもなっています。
26フリームスのスプールのゴールドは、やや落ち着いた色味であり、かつ使用面積を抑えることで、なかなかいい感じの仕上がりとなっています。
これは高級リールに採用されることが多い配色かと思いますが、26フリームスに採用されたことで、1万円台とは思えない高級感を醸し出すのに成功していると感じます。
見た目の話かと思われるかもしれませんが、あくまで趣味の道具ですので、かっこいいに越したことはありませんよね。

次にエアドライブローターが採用されたことで、リールのフロント部の重量が軽くなり、リールの重心が手元寄りになりました。
上位機種である25カルディアと比較しても26フリームスのほうが重量があり、決して超軽量リールとはいえません。ただ、重量バランスがよくなったせいで、実際に使用した感じ、重いリールという印象はありません。
ドラグに関しても、実際に掛けた魚の走りに追随してスムーズにスプールが回転することを確認しています。
現在筆者は0.2号のPEラインを巻いてメバリングで使用していますが、先にも書きましたようにライントラブルは一度も起きていません。基本性能は十分クリアしているリールだと思います。
26フリームスの懸念点は?(あえての指摘)
先代モデルである21フリームスでは採用されなかったエアドライブローターが26フリームスに搭載されましたが、モノコックボディまでは採用されませんでした。ですのでボディは従来のようにネジ止めされています。
モノコックボディは、ギアの支持精度やドライブギアのサイズ拡大を可能にするテクノロジーです。これが採用されていればますます上位機種との差がなくなっていたところですが、メーカーとしても価格帯別の差別化は必要でしょうし、高望みというところでしょう。
次に、26フリームスには逆転レバーが付いています。昔のスピニングリールにはこのレバーは必ず搭載されていましたが、今は少数派になりました。個人的には実釣中に使用することはほぼないし、レバーの付け根部分からリール内部へ水が侵入する可能性もゼロではないと思います。

ただこのクラスのリールは色々な種類の釣りをする方が使用されると思いますので、釣種によってはあったほうがよい、ということがあるかもしれません。
筆者は、逆転レバー付きのリールを保管する際は、このレバーを操作してローターがどちらにも回転する状態にしています。もし保管中のリールに強い衝撃が加わったとき、ローターがどちらにでも回転する状態であれば、衝撃を逃がしてくれると思うからです。使い方次第ではメリットにもなり得ますね。
あとはドラグ音。26フリームスのはジッジッジッといった音になります。筆者はチリチリチリという細かい音が好きなのですが、このあたりは完全に個人の好みですね。ドラグ性能そのものには問題がないことは確認済みです。
26フリームスのカスタマイズ
26フリームスはそのままでも十分高性能ですが、少し手を加えることで性能がアップしたり、満足度を高めることができます。
ラインローラーのベアリング化
26フリームスのラインローラー部には、標準ではプラスチックカラーが入っています。これをベアリングに交換するだけで、糸ヨレの軽減と、それによるライントラブルの発生リスク低減が期待できます。リールのベアリング化の中では、このラインローラー部が一番効果が得られやすいのではないでしょうか。

ただベアリング化に限らずリールの分解・改造は、メーカーの保証対象外になる可能性がありますので、あくまで自己責任でお願いします。
カスタムスプール
別でスプールを持つというのは、カスタマイズの意味もありますが、リールの可能性を広げるものでもあります。つまり、純正のスプールとは別のスプールに、種類や太さの違うラインを巻いたものを持っていると、1つのリールで色々な釣りに対応できます。
例えば、エステルラインでジグ単のアジングをしたあと、PEラインを巻いたスプールに付け替え、メバルをリトリーブの釣りで狙うなど。
また、特にPEラインを使用している場合で不幸にもバックラッシュが起きてしまったとき、絡み具合にもよりますが現場でラインを直すのはなかなか大変ですよね。
ラインをばっさり切って、またラインシステムをやり直すとなると、スプールに残るラインの量が一気に減ってしまうことにつながります。また時合が来ている最中にシステムを組みなおすのは、せっかくのチャンスタイムを逃すことにもつながりかねません。
そんなとき、糸がらみが発生したスプールを取り外し、あらかじめショックリーダーにも結束済みのラインが巻かれたスペアスプールに付け替えると、釣りに復帰するまでの時間を大幅短縮できます。
26フリームスは、実売2000円台という圧倒的なコストパフォーマンスを誇るSLPW LT TYPE β(ベータ)スプールに対応しています。SLPW(SLPワークス)は、ダイワの公式チューニングパーツブランドですので、いわば「純正カスタマイズ」が可能です。

このβスプール、色が少し気になるという方は、26フリームス純正スプールを新たに買い求めればよいでしょう。
25アルテグラ、25カルディアとの比較
5年ぶりのリニューアルとなった26フリームス。シマノの同クラスの汎用スピニングリールである25アルテグラや、あるいはダイワでの上位機種である25カルディアとで迷っている方は多いと思います。バスやエギング等で使用機会の多い、2500番クラスを例に、比較してみました。
| 項目 | 26 フリームス (LT2500) | 25 アルテグラ (2500) | 25 カルディア (LT2500) |
| 自重 | 195g | 215g | 185g (FCモデルなら170g) |
| 主要テクノロジー | エアドライブデザイン、マグシールド | インフィニティドライブ、インフィニティクロス | モノコックボディ(MQ)、エアドライブデザイン |
| ボディ素材 | ZAION V | CI4+ | ZAION V |
| ボディ構造 | 従来型(ネジ止め) | HAGANEボディ | モノコックボディ(MQ) |
| ドラグシステム | ATD TYPE-L | 高耐久クロスカーボン | ATD TYPE-L |
| ベアリング数(ボール/ローラー) | 5 / 1 | 5 / 1 | 6 / 1 |
| 最大ドラグ力 | 10.0kg | 9.0kg | 10.0kg |
| コンセプト | 軽快・高感度 | 滑らか・パワフル | 軽量・高剛性 |
| 実売価格(目安) | 約1.4万〜1.6万円 | 約1.6万〜1.9万円 | 約2.3万〜2.6万円 |
26フリームスの同クラスのリールといえば25アルテグラ。高い実釣能力と手ごろな価格で長年シマノの人気リールとなっています。もちろんスペック的には十分なものがありますが、26フリームスと20gある重量差が気になるところです。
この3つのリールの中では、価格で上位にあたる25カルディアが、やはり重量や剛性の面で一歩抜け出ているかと思います。ただ筆者のように2000番クラスの番手をライトゲームで使用する場合は、あまり剛性は必要ありませんし、26フリームスで十分すぎると感じています。
まとめ:26フリームスが変えるフィッシングライフ!
26フリームスは、単なる入門機+αの位置づけのリールではありません。エアドライブローターを搭載し重量バランスが改善、またボディ剛性が強化されたことで、さらに実釣性能がアップしました。

これらが高い次元で融合した26フリームスは、初心者の方にとっては長く使える相棒になりますし、ベテランの方にとっては頼れる最強のサブ機となりえる存在です。
手に取りやすい価格ながら見た目もばっちり、そんな26フリームスで色々な釣りを楽しんでいきましょう。

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