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PEラインを使っているアングラーの一定数が使用しているであろうアイテムといえば、バリバス社から発売されている「PEにシュッ!」に代表される、ラインコーティング用のシリコンスプレーです。
ラインの表面に保護膜を作ることで摩擦抵抗を減少させ、飛距離アップが可能になると言われています。
メーカーのパッケージや一般的なインプレ記事では「飛距離がアップする」「ラインが長持ちする(耐久性向上)」といったメリットが大きく謳われがちです。しかし、筆者がこのアイテムを使用し続ける一番の理由は少し違います。
筆者が思う「PEにシュッ!」などのラインコーティング剤を導入すべき一番の理由は、飛距離や耐久性アップよりも、「釣行中のライントラブルが激減し、釣りに100%集中できるようになること」にあります。
筆者はミニマリストを目指して所有する釣り具のスリム化を進めていた際、スプレー缶を使い切ったタイミングでPEにシュッ!の使用を中止した時期があります。しかし、途端にライントラブルが増発し、結局すぐに買い直した経緯があります。
今回は、なぜ「PEにシュッ!」を吹きかけるだけでトラブルが劇的に減るのか、そのメカニズムと実際のメリットを詳しく解説します。
そもそも、なぜPEラインはトラブルが頻発するのか?
まず、PEライン特有のトラブルが起こる原因を整理してみましょう。
ナイロンやフロロカーボンと違い、PEラインは極細のポリエチレン繊維を編み込んで作られています。そのため、以下のような構造的・物理的な特徴があります。
- ハリ・コシが弱く、風やたるみに極めて弱い
PEラインは非常にしなやかである反面、自立するハリがあまりありません。風にあおられたり、ジャーク時にラインスラッグ(糸ふけ)が出ると、ロッドのガイド足や穂先に簡単に巻きついてしまいます。 - ラインが食い込んだり、ライン同士が張り付く
強くて細いPEラインは、リールに巻き取る際のテンションが一定でなかった場合、ラインが既に巻いてあるラインの下に食い込む場合があります。また、使用を重ねてコーティングが落ちたPEラインは、繊維の隙間に水が保持されやすくなり、スプール内でライン同士がぺったりと密着しやすくなります。こういった状態でキャストすると、放出されるラインが隣のラインを引っ張り出し、塊(ダマ)となって一気にガイドへ飛んでいきます。これが「エアノット」や「大バックラッシュ」の正体です。 - 海水(塩分)の付着による滑りの悪化
海水が乾くと塩の結晶がライン表面に残ります。するとロッドのガイドとの摩擦抵抗が増えるだけでなく、ラインの滑り自体が極端に悪くなります。
これらの要因が重なることでライントラブルが発生し、私たちは貴重な釣りの時間を「糸絡みをほどく時間」「リーダーを結びなおす時間」に費やすことになってしまいます。

「PEにシュッ!」がライントラブルを防止する3つのメカニズム
「PEにシュッ!」をスプレーすると、ライン表面にきわめて薄く滑らかな保護膜が形成されます。この保護膜が、PEラインの弱点をみごとに補ってくれます。
1. ラインに適度な「ハリ・コシ」が復活する
スプレーを浸透させて乾燥させると、しなやかすぎてフニャフニャだったPEラインに、しなやかさを保ちつつもシャキッとした適度な張りが出ます。
この「適度なハリ」があることで、強風下でのキャストや、ルアーを激しくアクションさせた後でも、ラインがガイド足やトップガイドに巻きつきにくくなります。特に、竿先が見えにくいナイトゲームでは、穂先への糸絡みが激減することで、ロッド破損のリスクも大幅に下げることができます。
2. スプールからの糸放出が均一になり「エアノット」が消える
コーティングによりライン同士の摩擦と粘着感がなくなると、スプールに巻かれたラインが1周ずつスムーズかつ均一に解けていくようになります。
放出時に下層のラインを余計に引っ張り出すことが少なくなり、「ぴょん吉」と呼ばれるダマの発生や、ガイドに突っ込んで突然高切れするような致命的なトラブルが発生しにくくなります。
3. 撥水効果で「水と塩」の付着をカットする
シリコンスプレーによって作られる保護膜は、強力な撥水性(水を弾く力)を持っています。ラインの繊維と繊維の間に水を含みにくくなるため、ライン自体が重くなって垂れ下がることがなくなり、キャスト時の操作性が安定します。
また、塩分やゴミ・ガイドの汚れがライン表面に固着するのを防ぐため、長時間の釣行でも始終滑らかなフィーリングが持続します。

真正面から考える「ライントラブル減少」の価値
「飛距離が数メートル伸びる」という変化は、体感しにくいこともありますし、釣果に直結しない場面もあります。しかし、「トラブルが起きない」という価値は、現場で即座に実感でき、釣果にダイレクトに貢献します。
時合(ジアイ)をトラブルで潰さない
魚の活性が上がる「時合」は、短ければ10分〜15分程度で終わってしまうことも珍しくありません。そんな黄金の時間帯にライントラブルが発生したらどうでしょうか?
暗闇の中でライトを照らし、極細PEの結び目を爪で必死にほどく……。ほどけずに結局ラインを切ってノットを組み直している間に、時合は無情にも過ぎ去ってしまいます。「PEにシュッ!」を使っておけば、そうした最悪のシナリオを未然に回避できる可能性が高まります。
高価なPEラインを長持ちさせる「本当の意味」
PEラインは高価です。特に8本編みや12本編み、ライトゲーム用の極細PEなどは1個2,000円〜5,000円ほどします。
ライン自体の摩耗耐久性が上がることも嬉しいですが、それ以上に「大バックラッシュを起こして、巻いたばかりのラインを泣く泣く半分以上カットして捨てる」という悲劇が減ることこそが、最大の節約になります。
スプレーが1本で何十回もメンテナンスできるわけですから、ラインを1回のトラブルで台無しにせずに済むだけで、スプレー代の元は簡単に取れてしまう計算になります。

効果を100%引き出す!「PEにシュッ!」の正しい使い方
「スプレーしてみたけれど、イマイチ効果が分からなかった」という人の多くは、使い方のタイミングを間違えている可能性があります。性能を最大限に発揮させるための正しい手順を押さえておきましょう。
1. 釣行の前夜までにスプレーする
一番やってしまいがちなのが「釣り場に着いてキャストする直前にシューッと吹きかける」ことです。
「PEにシュッ!」は、吹きかけた液剤中の成分がしっかりと乾燥し、ライン表面に保護膜として定着(硬化)することで本来の性能を発揮します。濡れたままキャストすると、水と一緒にコーティングがすぐに流れてしまいます。
釣行の前日、または帰宅後にリールを水洗いして乾燥させたタイミングでスプレーするのがベストです。
2. 全体にしっかり染み込ませるコツ
- スプール全体にまんべんなく「シュッ」と2〜3回吹きかけます。
- スプールの隙間から下層のラインにも浸透するように、少しノズルを近づけて吹きかけます。
- 吹きかけた後、指の腹や柔らかい布で軽くスプール表面になじませます。
- そのまま一晩放置して完全に乾燥させます。
※新品のラインをリールに巻き替える際、事前にスプレーしながら巻き取ると、ライン全体にムラなくコーティングが行き渡り、完璧な下処理ができます。

ホームセンターのシリコンスプレーでも代用可能
KUREのシリコンスプレーなど、ホームセンターで売られている釣り専用ではないものでの代用は可能なのか?
結論から言えば十分に代用可能です。1本300〜500円程度とコスパが良く、滑りや水弾きを良くしてPEラインのガイド絡みや劣化を防いでくれます。 使う量が多く、すぐに使い切ってしまう、という方にはおすすめです。
ロッドにも使用可能! ただし注意点あり
ライン用のコーティングスプレーは、ロッドに使用しても効果が得られます。ガイドやブランクスにスプレーしておくと、糸抜けが良くなり、雨天や強風時にもラインがロッドに貼り付きにくくなります。
ただし、使用する際には重要な注意点があります。
- ジョイント部(継ぎ目)には吹きかけない
2ピース以上のロッドの場合、継ぎ目にスプレーがかかると滑りが良くなりすぎてキャスト時にロッドがすっぽ抜ける原因になります。ロッドに使用する際は、必ずロッドをしっかりと継いだ状態で塗布してください。 - 屋内での散布は滑り事故の元
屋内で使用してフローリングの床にスプレー成分がかかると、床がツルツルに滑るようになり非常に危険です。不要な新聞紙などを敷いた上か、玄関先やベランダなど屋外で使用しましょう。
まとめ:ストレスフリーで釣りに集中するための「必須道具」
「PEにシュッ!」は、単なる気休めのメンテナンス用品ではありません。仕掛けやルアー、ロッドと同じように、「釣りを快適に成立させるための必須アイテム」です。
- PEラインの糸絡みや穂先への巻きつきに悩んでいる
- 強風の日やナイトゲームでトラブルが多くてストレスを感じる
- キャスト時の高切れやエアノットで高価なラインを無駄にしたくない
もし一つでも当てはまるなら、今すぐ導入することをおすすめします。
ライントラブルの不安から解放され、毎キャスト余計なストレスを感じずにルアーの操作やアタリの感触に全神経を集中できる快適さ。
一度この安心感を味わってしまうと、もう「PEにシュッ!」なしで釣り場に向かうことはできなくなりますよ!




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